ギャンブル依存症は、国際的機関であるWHOも正式な病気として認めています。ギャンブル依存症は脳の病気であり、意志だけでは逆らえない部分も多くあります。この記事では、ギャンブル依存症の原因やその末路、克服方法について解説します。
ギャンブル依存症になった人の末路
ギャンブル依存症は単なる病気と甘く見てはいけません。ギャンブル依存症になった人がどんな末路を迎えることになるのか、いくつかのケースを解説します。
借金が右肩上がりで増え続ける
ギャンブル依存症になると、ギャンブルでの負けをギャンブルで取り返そうとし、最終的に借金にも手を出してしまいます。最初は自分の資金の範囲で賭け金額を捻出していたのが、徐々に足りなくなり、気づけばキャッシングやカードローンに契約してしまうのです。
もちろんそれで勝ち、借金を取り返すことができればいいのですが、そんなに甘い話でもありません。むしろ勝った時には「それでよし」とはならず、さらに多くの賞金を稼ぎに賭けた結果、全資金を失うというのはギャンブラーあるあるです。
気づいたころには百万単位の借金を作っていたなんていうケースもざらです。当然その後は、高レートな手数料も含めた借金の返済地獄に陥ることになります。
借金の影響で信用情報に傷がつく
ギャンブル依存症になり借金が増えてくると、日常の様々な支払いが滞ってしまう可能性があります。具体的には
- 税金
- クレジットカードの利用代金
- キャッシングの返済代金
- 家賃
- 携帯電話利用料金
- 自動車ローン
- 住宅ローン
などです。このような支払いの遅滞が常習化すると、信用情報に傷がつくことになります。
そして新たなクレジットカードの発行や借金(住宅ローンなどを含む)ができにくくなってしまうのです。一度傷ついた信用情報は、一生かけても取り返せないという情報すらあります。つまり、生涯の様々なチャンスを手放してしまう可能性があるということです。
借金が返済できず破産する
ギャンブル依存症の影響でどんどん借金が膨らみ、それが全く返済できない状態となると最終的に行き着く先は破産です。破産にはすべての借金の返済義務がなくなるというメリットもあるものの、当然様々なデメリットもあります。
具体的なデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- その後の借金が一定期間(最大10年程度)一切できなくなる
- 住宅や自動車を手放さなければならなくなる可能性がある
- 就職できない職業がある
- 官報に破産情報が掲載される
- 保証人に影響が出る可能性がある
日常生活で快楽を得づらくなる
ギャンブルで得られる興奮は日常生活では得られないほど大きく脳を刺激し、ドーパミンを分泌させます。ドーパミンは快楽物質とも呼ばれており、その気持ちよさは抜群です。
しかしギャンブル依存症になると、ギャンブルをプレイするのが当たり前になってきて、なかなか興奮作用を得づらくなってしまいます。久しぶりに友人に会った時は感動しますが、毎日会っていると飽きてしまうのと同じですね。
ギャンブルという刺激的な行為ですら興奮を得にくくなっている以上、日常生活にはさらに快楽を得づらい状況です。結果としてさらに興奮を味わうべく、あり得ない金額でのベットなどを行うようになってしまいます。
自分をコントロール出来ず、家族・友人関係が崩壊する
ギャンブル依存症が深刻化すると、自分を適切にコントロールできなくなります。他人に対して攻撃的になったり、最悪の場合には暴力を振るったりするようなケースも珍しくありません。
その結果として家族や友人など、大切な人間関係を崩壊させてしまうことも多々あります。そうなると、ギャンブル依存症の自分を救ってくれる人ももういません。
健康上の問題が発生する
ギャンブル依存症になると、昼夜ギャンブルのことで頭がいっぱいになることで健康上の問題も発生します。私も過去にありましたが、「あと少し」「もう少し」を繰り返した結果、貫徹してしまうなんてことも珍しくありません。
当然睡眠が十分とれず、日中のパフォーマンスも低下します。それが積み重なれば「睡眠負債」として重大な健康障害に繋がる可能性も否定できません。
睡眠負債は「寝不足の借金」と呼ばれています。1日2日程度であれば深刻でないものの、積み重なってくると様々な悪影響が生じてきます。具体的に考えられる悪影響としては
- 日中に耐え切れない眠気に襲われる
- 集中力が散漫になる
- 高血圧
- 糖尿病
- 免疫力の低下
- うつ病
などがあります。もちろん本業に支障が出ることもあるでしょう。
ギャンブル依存症を克服する方法
ギャンブル依存症は自分の意思だけで克服するのは不可能と言われています。それだけに、構造的にギャンブルから離れられるような環境を作ることが大切です。
そこでギャンブル依存症を克服するための具体的な方法として、10種類の方法を解説します。
【ギャンブル依存症克服方法①】自己規制をする
最初にご紹介する、ギャンブル依存症克服方法は入金額やプレイ可能時間についての自己規制です。上述の通り、オンラインカジノは24時間365日プレイできます。自分でプレイを止めようとしない限り、延々プレイし続けることが可能です。
しかし、オンラインカジノには「自己規制」という機能があります。これは入金額や損失額、プレイ時間などについて自分で上限を設けるという機能です。
オンラインカジノをプレイしてみると分かりますが、自分の意思で止めようと思っても、なかなか止めることができません。「勝ち逃げや損切が大事」という声が多くありますが、それができるのならば誰も苦労しないでしょう。
自分は大丈夫と思っている人こそ、ギャンブル依存症の沼に引き込まれます。オンラインカジノを利用する際には必ず自己規制を設定するようにしましょう。
【ギャンブル依存症克服方法②】クレジットカードの枚数を減らす
続いてのギャンブル依存症克服方法はクレジットカードを減らすことです。クレジットカードはオンラインカジノの最も簡単な入金手段です。少しでも多くの軍資金を投入するために、何枚ものクレジットカードを発行するという人もいるでしょう。
たしかにクレジットカードの枚数が多ければ、それだけ入金可能額も増えることになります。しかしそれは非常に危険。入金すればするだけ、借金が増えたことと同じだからです。
そのため、クレジットカードはできるだけ必要最小限の枚数に留めておきましょう。極論すれば、1枚もクレジットカードを有していないというのが理想です。
【ギャンブル依存症克服方法③】他に打ち込めることを探す
ギャンブル依存症克服の3つ目の方法は、他に打ち込めることを探すことです。ほかに夢中になれることがあれば、わざわざギャンブルで暇をつぶす必要はありません。
スポーツや趣味、資格の勉強など、何か1つでも打ち込めることを見つけてみましょう。それだけでも自然とギャンブルに費やす時間を減らせるはずです。
【ギャンブル依存症克服方法④】ギャンブル関係の情報をシャットアウト
ギャンブル関係の情報をシャットアウトすることも、ギャンブル依存症克服に有効な方法です。Twitterなどでギャンブルで大勝したような人を見ると、どうしても「次は自分も」と思いたくなります。
しかしそれは夢のまた夢。次に同じようにあなたが大勝できる可能性は限りなく低いです。
無駄にギャンブルのモチベーションを高めないようにするためにも、ギャンブル関係の情報は一切シャットアウトしてしまうのが賢明です。何かSNSのコミュニティなどに入っている場合には、脱退するようにしましょう。
日常的に情報を仕入れないようになれば、自然とギャンブルから足は遠のいていくはずです。
【ギャンブル依存症克服方法⑤】通院する
ギャンブル依存症は立派な病気なので、通院するのも克服するのに有効な方法です。中には「自分が病気だと認めたくない」という人もいるでしょう。しかし放置しておくと、様々な障害に発展する恐れがあります。
自然治癒が限りなく難しい以上、病気を自覚して通院するのが最も手っ取り早い方法です。精神科医やギャンブル依存症専門外来などの選択肢があります。
通院すればすぐに解消するわけではなく、最大で3年程度は回復までに時間を要すると言われています。それだけに、早めに通院することが大切です。
どうしてもギャンブルのことを考えてしまう、時間が空いたらギャンブルをしているなど、客観的にギャンブル依存症と見られて不思議でない状態になっている場合は、是非通院してみてください。
【ギャンブル依存症克服方法⑥】専門機関に相談する
病院以外にもギャンブル依存症の克服方法について相談できる専門機関はたくさんあります。例えば保健所や福祉センターなどです。地域によってはギャンブル依存症の自助グループや回復支援施設もあります。
こういった施設を管轄する厚生労働省の予算案を見ても、ギャンブル依存症対策のためにかなりの支出をしていることが分かります。
病院に通うのは病気を認めているようで嫌だ、と思う方もいるでしょう。そのような方は、専門機関に相談してみるのもおすすめです。
【ギャンブル依存症克服方法⑦】ギャンブラーズ・アノニマスに相談
ギャンブル依存症を抱える人たちのための自助グループ、ギャンブラーズ・アノニマスに相談するのも有効な方法です。全国各地にグループがあり、定期的にグループのメンバーが集ったミーティングが開催。
そこで自分の現状などについて相談して、他のメンバーからアドバイスを受けるというような形式です。
ギャンブル依存症の克服は孤独な戦いになりがちですが、ギャンブラーズ・アノニマスには同志がたくさん集まっています。本気で「克服したい」という方の集まりですから、自分もその方向へとモチベーションを高められるはずです。
匿名で参加できるため、個人情報を提供するのが心配という方でも安心です。
【ギャンブル依存症克服方法⑧】ギャンブル関係の人脈をすべて断ち切る
ギャンブルを通じて知り合った人脈も断ち切るのも、ギャンブル依存症克服に有効な方法です。縁を切らないと、ついつい誘いに乗ってまたギャンブルに興じてしまうことになりかねません。
人づきあいが変われば、人間の生活も大きく変わります。ギャンブル関係の人脈を断ち切ることは、必然的にギャンブルからの卒業に繋がっていくはずです。
【ギャンブル依存症克服方法⑨】生活費以外を定期預金に預ける
ギャンブル依存症の克服方法として、生活費以外を定期預金に預けるという手段もあります。お金が余っているとついギャンブルにぶち込んでしまうという人もいるでしょう。
借金をしない範囲ならば健全とも言えますが、やはりギャンブルができるという環境は、ギャンブル依存症への第一歩になりかねません。
そのため、月々の給料のうち、必要最小限の生活費以外はすべて定期預金にぶち込んでしまうのも1つの手です。定期預金は普通預金と違って、いつでも簡単に引き出せるわけではありません。定められた満期を待つ必要があります。
お金が自由に使えなければ、ギャンブルをしたくてもできませんね。その分の空いた時間を他のことに打ち込めば、自然とギャンブルから足は遠のいていきます。
【ギャンブル依存症克服方法⑩】債務整理を行う
ギャンブル依存症が深刻化して、あまりにも借金が膨らんでしまった場合には債務整理を行うという方法もあります。債務整理をすれば、将来の利息や遅延損害金をカットしたり、場合によっては借金の元本を減額したりすることも可能です。
ギャンブルが原因だと債務整理ができないというイメージも持たれがちですが、特に借金の理由は関係ありません。ブラックリストに登録されるなどのデメリットもありますが、借金で頭が回らなくなってしまったケースなどでは、債務整理を積極的に行うのがおすすめです。
場合によっては法律的な専門知識が必要になることもあります。もし自分で適正な手続きを行う自信がないのであれば、弁護士や司法書士なども頼りながら手続きを進めていきましょう。
ギャンブル依存症の克服体験談
最後に実際にギャンブル依存症を克服した方の体験談をいくつか紹介します。
ギャンブル依存症で苦しんだ経験として
「他の趣味を見つけられない」
依存症仲間との会話でも頻繁に出てくる
テーマです。結論、無理に新しい趣味を見つけるのではなく
とにかくギャンブルをしない1日を過ごす事に
意識を向ければ、何気ない出来事に楽しさを
見出す事ができるようになりました。— ギャンブル依存症克服 ピー沼チャンネル (@P_numa_) October 9, 2020
この方は自身が実際にギャンブル依存症に陥り、そこから回復したことをYouTubeなどで発信しています。やはりギャンブル以外に何か趣味を持つということが、シンプルなものの非常に効果的であることが伺えますね。
先日、GAに初参加させて頂きました。
最初、私と代表の方だけでビビりましたが😅
遅れて来られて8人でした。
女性は珍しいらしくよく1人参加できましたねと。
本来ならステップのはずが、Lさんが初参加なので、ギャンブルにハマったきっかけをテーマに変更して頂きました。— L子禁パチする (@Y46913743) October 18, 2020
この方はGA(ギャンブラーズ・アノニマス)に参加したことでギャンブル依存症克服への一歩をまさに歩み始めたばかりの方。やはり自分自身の努力だけでは克服は厳しいと判断したのでしょう。
このツイートのリプライ欄を見ても、「GAに参加して本当によかった」というような声が多数見られました。いきなり全克服はできなくても、一歩一歩階段を上ることが大切ですね。
このほか、インターネット上でも様々な方のギャンブル依存症克服体験談を読むことができます。総じて言えるのは、自分が病気であることを自覚して、本気で克服しようと一歩を踏み出したということです。
時間が勝手に解決してくれるというような問題ではありません。強い意識を持って主体的に行動していかないと、絶対に克服できない病気であるということを伺わせますね。
オンラインカジノでギャンブル依存症に陥る原因
日本のパチンコ産業の市場規模が、世界のカジノの市場規模を上回っていることからも、日本人がギャンブル依存症になりやすい体質であることも伺えます。近年はオンラインカジノが次々に日本語サイトをオープンさせています。
オンラインカジノの台頭により、さらにギャンブル依存症の可能性が高まっている現代。今までギャンブルをしてこなかった人も、オンラインカジノをきっかけにギャンブルデビューする方も多いでしょう。
オンラインカジノは他のギャンブルよりもギャンブル依存症に陥りやすい性質があるため注意が必要です。
ギャンブルで負けたお金を取り返せると過信してしまう
通常のギャンブルは負けを重ねながら、どこかで一発高額なお金を獲得するというのが一般的です。しかしオンラインカジノは結構勝てます。プレイ開始直後から安定して利益が出続けているなんていうケースも珍しくありません。
その勝ちやすさは大きな魅力ですが、落とし穴にもなりえます。というのも「どうせ勝てる」と過信してしまうためです。勝ちやすさを過信した結果、損失が膨らんでいる時に大きく賭けて爆死するというケースが多々あります。
勝ちやすいのは事実ですが、それが勝率100%を保証してくれるわけではありません。このことはしっかりと頭に入れてプレイする必要があります。
24時間プレイ可能なのでギャンブルの止め時が見つけられない
オンラインカジノは24時間365日、ネット環境さえ整っていればいつでもプレイすることができます。他のギャンブルの場合は営業時間やレースの回数などが規定されているため、「もっと賭けたい」と思っても構造上賭けを行うことができなくなります。
しかしオンラインカジノの場合、「もう閉店だからプレイを止めてください」なんていうことにはなりません。使用しているデバイスの電源が切れない限りは、永遠にプレイし続けることもできます。
それがオンラインカジノの魅力でもあり、リスクでもあります。私自身も夜10時ころからプレイし始めて、「あと1回」「もう1回」を繰り返していたら、朝を迎えていたなんていうこともありました。
何かオンラインカジノのプレイを止められる強制力を働かせないと、ズルズルと長時間プレイし続けてしまうなんていうことも珍しくありません。
クレジットカードで簡単にお金を入金できてしまう
オンラインカジノはクレジットカードで簡単にお金を入金できてしまいます。この手軽さも、オンラインカジノにのめり込んでしまう1つの元凶です。
オンラインカジノの利用者の多くは「クレジットカードの利用可能枠=自分の資金力」と勘違いしてしまいます。しかしクレジットカードの利用は紛れもなく借金です。
クレジットカードを利用してオンラインカジノに入金する際には「自分は借金をしているんだ」という認識をしっかりと持っておかないと、取り返しがつかないことになります。
ギャンブル依存症を克服する方法まとめ
この記事ではギャンブル依存症の危険性やその克服方法などについて詳しく解説しました。ギャンブル依存症は立派な病気であり、自然治癒できるような問題ではありません。具体的な解決策を施していかなければ、絶対に克服することはできないでしょう。
そのための克服方法として、10種類の方法を紹介しました。まずは小さなことでも一歩踏み出し、本気でギャンブル依存症を克服するという覚悟を持つことが大切です。
「自分はギャンブル依存症にならない」なんていう自信はすべてが過信です。脳の構造上、誰でもギャンブル依存症に陥ってしまう危険性があります。ギャンブルをプレイする際には、必ずそのことをしっかりと理解しておくようにしましょう。